「30代、40代のサラリーマンは忙し過ぎてオペラなんか見る暇ないだろう」

前メトロポリタン歌劇場支配人、ジョセフ・ヴォルピーの言葉はオペラ・ファシリテーターの自分には衝撃だった。

 

だがしかし、本当に忙しいサラリーマンはオペラなんかを見る暇がないままでいいのだろうか。

2017年。東芝等の大手日系企業は、無惨な姿に成り果て、終身雇用の幻想は数十年で消え去り、ついには政府が正社員への副業を推進し始めた。

ブロガー、Youtuberなるものが現れ、才能は必要だろうが彼らは満員電車に乗ることもなく年収1000万を若いうちから稼ぐことに成功している。若いだけで言えば、投資の世界も似たようなものだ。

 

このように21世紀になり、資本主義の頂点とも言える現代は「働き方」というものが変わり始めていることは、明らかである。

ここでもう一度考えたい、果たしてサラリーマンはオペラを見ないでいるべきか、と

 

結論から言えば、ビジネスパーソンこそ、年収を上げる気がある人こそオペラを見るべきなのである。

 

私はオペラ・ファシリテーターの傍ら、他の仕事もしている。その中で様々なビジネスマンや投資家等と話してきた。日系、外資の有名企業社員や、医者、海外不動産への投資家など、様々だ。

彼らは、年収も驚くべき額だが、最も驚くべきなのはその幸せな人生だ。

単純な話、仕事の時給を上げ、最低限の労働で最大の利益を生み出し続けている。仕事とプライベートの割合は、人それぞれだが。

 

さて、人生においてお金を儲ける、年収を上げることは1つの重要な行為なのは間違いない。世の中金が全てではないが、それでもやはりお金を求めずにいられないのは、幸せになりたい、自由になりたいなどの願望があるからだろう。

お金があれば、実際に旅行や食事の選択肢も増えるし、生活の質は上がる。

 

さて、そんな彼らが仕事をする上で大事にしている要素は様々であり、彼らはそれらを多くの書籍や経験から学んでいる。

そのような話を聞いていて感じたのが、ハイスペックなビジネスマンが大事にしているものの一部は、実はオペラを見る事によって、学び得るということだ。

そして、心理学を応用すれば仕事の効率を上げるためにもオペラが活用出来ることにも気付いた。これは実際に私が試してみたが、なかなかの効果である。

 

 オペラを見るべき理由

 

  • 多様な視点、多彩な価値観の定着。

 

  • 仕事を効率的にする集中力と感情の関係

 

  • 最も大事なこと

 

 

多様な視点、多彩な価値観の定着。

オペラと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。

大恋愛の末の悲劇。愛の裏切りへの復讐。まぁ、大体そんなとこである。

 

オペラには基本的に人の本質的な欲求、恋愛や生きることの意義などを題材にして、様々な背景のもと、作品が作られている。貴族であったり、庶民であったり、神話であったり。

このあたりは、オペラが実は多様性であることの1つだろう。

 

そして、オペラは感情を表現するのに非常に重きを置いた芸術作品であること。

この究極の感情表現である点と多様性を孕んでいる点、この2点は人間関係に役立つ。

 

オペラの名曲というと、”アリア”というのが一般的だ。要は独唱曲のこと。このアリアは名曲が多く、そして基本的にその役が高まった感情を歌う、語る時にこのアリアという独唱曲が現れる。

激しい感情表現だったり、静かなバラードのようだったり、メロディーは様々だがどれも役の感情をこの上ない方法で伝えようとしている。

その役とは、策略結婚に苦しむ貴族の娘だったり、報われない恋に燃える貧乏な青年だったり、ピエロだったり、一国の王だったり、といった具合だ。

 

このようにオペラは、様々な主観的な感情表現が多い。これらは1つの事象に対して、様々な見方が存在することを示してくれる。

例えばある結婚式があったとする。だが、新郎や来客が無邪気に喜ぶ一方で、新婦は望まない結婚に悲しみ、新郎を殺そうとする青年が来客の中に潜んでいる。

 

このように1つの出来事に対して、様々な主観的要素を散りばめ、1つの音楽として昇華させているのがオペラだ。

そして、その出来事は実に多様性に富んでおり、神話の色恋沙汰から庶民の不倫劇まで様々である。

 

このように多くの主観的価値観や多様性に触れることは、人間関係に役立つ。つまり、相手と自分の考えや見ているものが常に同じではないことを、学べるのだ。

仕事を効率的にする集中力と感情の関係

オペラというのは、聞き手の感情をこの上なく刺激する芸術作品だ。

歌手の演技、歌、声、音楽、歌詞、様々なものが総動員して聞き手をカタルシスに導く。喜びや悲しみ、様々なものに。

 

社会心理学の観点から見ると、感情というのは仕事の効率に関係があります。簡単なところで言うと、取引先とうまくいかずにイライラしている時は単純作業がうまく進まないですよね。

 

これは感情がマイナスに働いてしまった例ですが、喜びの感情と悲しみの感情、これらはプラスにすることが出来ます。しかも、実際に自分が体験しなくても、その感情を引き起こすものを見たり、聞いたりするだけで良いのです。

 

例えば喜びの感情。

これは、新しい企画を考える際に有用で、クリエイティブな発想が生まれやすくなります。何か閃きが必要な時に散歩するのと同じですね。

 

一方で悲しみの感情。

これは、冷静で公平な判断に向いています。悲しみの感情を抱くと、人は注意深くなり、細かなところまで目が行き届くようになります。

契約を結ぶ際や、何かを買う時にこのような感情になっていると便利です。

 

さて、このように感情は意外と使い道があるのですが、実際に喜びや悲しみを自分が味わっていてはキリがありませんし、それはそれで疲れてしまいます。

かといって、心理学の実験で行われたように毎回映画を見るわけにもいかない。

そこで、オペラの独唱曲、”アリア”が素晴らしく便利なのです。

 

アリアは3分〜5分ほどで、喜び悲しみなどの感情をこの上ない方法で表現しています。感情表現という点では、オペラに勝る表現は存在しないといってもいいでしょう。

 

そのため、クリエイティブな発想が欲しい時は喜劇などの楽しいアリアを、冷静な判断が求められるシーンの前には悲劇の悲しいアリアを聞いて、自分の感情を一時的にコントロールし、最高の結果を仕事に求めることが出来るのです。

 

最も大事なこと

最後に、オペラを見る上で最も大事でかつ、得られるものが大きいのは、芸術作品に触れた時の感動、だと思います。

オペラって、芸術ではありますが、結局は映画やドラマと同じような娯楽でもあります。多くの人がドラマを見るのは、そういったものを見て何らかの感情を味わったり、感動したりしたいから、といった理由が多いと思います。

 

そして、これらのことがその人の人生を豊かにしているのは確かです。

映画やドラマ、オペラを見ると、その登場人物の人生を経験することになります。そういった経験はまさに、本当の意味で人生を豊かにしてくれます。これはお金で買える最高のもの1つです。

 

オペラを見るというのは、変に気取ったり、さらには見たからといって他人より優れているなどということではなく、あなた自身の人生をさらに鮮やかにする手段の1つなのです。

 

是非、オペラを見て、聞いて、仕事の効率も上げ、人生の満足度もブチ上げていきましょう。