劇場に笑い声があふれるオペラ

実はそんなオペラもあるんです!

 

ということで、オペラの悲劇と喜劇を意味する用語

【オペラ・セリア】と【オペラ・ブッファ】の説明です。

 

【オペラ・セリア】

セリアとはシリアスのイタリア語版です。日本語では正歌劇なんて言われ方もあるようです。本来の意味としては18世紀に誕生した、貴族、宮廷向けのオペラを意味し、オペラ・セリアは18世紀に作られたオペラにほぼ限定されています。

最近では「オペラ・セリア」=「悲劇のオペラ」という意味でも用いられているのを目にします。専門的に見ると、現代でよく演奏されるオペラで正式なオペラ・セリアは非常に少ないです。ですが、それの反対語のような「オペラ・ブッファ」には現代で演奏される有名なオペラが多くあるため、このような拡大解釈が生まれたのでは、と思います。

 

代表作はグルックの「オルフェオとエウリディーチェ」ですね。タイトルを見て気付いた方もいらっしゃると思いますが有名なオルフェウスの神話を題材にしたオペラです。恋人のエウリディーチェを失くしたオルフェオが

「Che faro senza Euridice…」

「エウリディーチェなしに、僕はどうしたらいいんだ」

と美しい旋律と共に嘆くアリアが非常に有名です。

 

【オペラ・ブッファ】

ブッファは滑稽な、面白い、という意味です。まさしく喜劇のオペラ、と言えるでしょう。オペラ・セリアが貴族向けなら、オペラ・ブッファは庶民向けでした。誕生したのは同じく18世紀ですが、19世紀前半までよく作曲され、現代でも明るく軽快なメロディーと物語が好まれ、多くのオペラ・ブッファが上演されています。

 

最後が大団円で終わることが多く、滑稽な貴族を、賢い平民や女性が出し抜く、なんて話が多いですね。音楽は超絶技巧ならぬ、超絶早口や高音の連発など、華やかで退屈しない音楽が多めで、気楽に楽しむことが出来るジャンルのオペラなのです。

代表作は

ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」

ドニゼッティの「愛の妙薬」など

 

「セヴィリアの理髪師」はスペインのセヴィリアという都市を舞台に、賢い理髪師が貴族の恋路を助けるお話

「愛の妙薬」は農村を舞台にあまり賢くない青年が、インチキ医師からもらった愛の妙薬で地主でもある賢い女性と結婚しようというお話です。

 

最近ではオペラ公演の際のパンフレットも充実しており、オペラ・セリア、オペラ・ブッファという言葉を目にする機会も増えてきました。是非、パンフレットの解説を読む時はこの2つの単語の意味を理解しておくと、またさらに深い知見を得られるでしょう。